遺言執行者になれるのは誰？選び方や権限なども併せて解説 / 弁護士 大村 隆平

遺言執行者とは、遺言書に記載された指示を実行するためにさまざまな手続きを行う人のことを指します。

遺言執行者を選任することには相続手続き上多大なメリットがありますが、誰が遺言執行者になれるのか、また誰を遺言執行者に選べばいいのかがわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、遺言執行者になれるのは誰かについて、選び方や権限なども併せて解説していきます。

遺言執行者になれる者、遺言執行者の選び方

遺言執行者になるための条件は実は非常に少なく、未成年でないこと、および破産者でないことくらいです。

もっとも、遺産分割の際に、他の相続人など関係者に不利益が生じる可能性がある者は、反対の声が上がって遺言執行者になりづらい場合が多いです。

そのため、問題が生じやすいと考えられる場合には、弁護士や司法書士などの専門家を選ぶという選択肢もあります。

遺言執行者の選び方には二種類あり、一つは遺言者が生前に直接指定する方法があります。

この場合、遺言書に遺言執行者の名前・住所、およびその人を遺言執行者とする旨を記しておけば、指定したことになるため非常に手続きが簡略です。

さらに、遺言者の意向を適切に反映できるため、遺言を思い通りに実現するために有効な方法といえます。

もっとも、遺言者が死んでしまってからでは当然ながらこの方法を採ることができません。

もう一つは、相続人をはじめとした利害関係人の申立てによって家庭裁判所が遺言執行者を選ぶという方法です。

この際、申立書をはじめとしたさまざまな書類の提出が必要となるほか、一定の費用がかかります。

もっとも、遺言執行者がいると相続手続きがスムーズになるため、遺言執行者が指定されていなかった場合にはこの方法を取ると良いでしょう。

遺言執行者の権限

遺言執行者は遺言の内容を実行するため、相続財産の管理および遺言執行をする者なので、さまざまな権限が与えられることになります。

例えば、相続人及び相続財産の調査や財産を目録にまとめる行為、株式・車などといった財産の名義変更、不動産の登記申請などをする権限などがあります。

また、遺言執行者にしか許されていない行為として、非行があったなど相続人にふさわしくない者を相続手続きから排除することおよびその取消し、子どもの認知などを挙げることができます。

このように、相続手続きにおける遺言執行者の権限は非常に広範です。

一方で、遺言執行者には相続人に対して遺言執行についての通知を行う義務が課せられており、相続人となるべき者の知らないまま手続きが進むことによるトラブルを防ぐ仕組みになっています。

相続に関することは雨宮眞也法律事務所にご相談ください

遺言執行者になれる人の範囲は幅広いですが、その分誰を選任すればいいのか悩んでしまいがちです。

また、遺言執行者には広範な権限が与えられているため、誰を選任するかはとても重要です。

そのため、遺言執行者の選任についてお悩みの場合には、専門家である弁護士への相談をおすすめします。

そうすることで、遺言執行者に誰を選べばいいのかがわかるほか、場合によっては弁護士が遺言執行者となって適切に遺言を執行することも可能となります。

雨宮眞也法律事務所では、相続に関するご相談を承っております。

「遺言で遺言執行者を指定したいがどのようにすればよいか」、「相続手続きで不明な点がある」など、あらゆる問題について丁寧にサポートいたします。

初回相談無料・事前予約可能・出張も可能ですので、相続問題でお困りの際はお気軽に当事務所までご相談ください。